今織っている織り方は表側と裏側を交互に織っていくので、緯糸を順番通りに入れていくのが大事になってきます。
表布を織る時は比較的見えやすいですが、特に裏布を織る時は糸が重なっているので慎重に杼を通して行きます。
この織りに関わらず複雑な織り方をする時は、キリの良い順番で終わるまではなるべく席を立たないようにしています。
そういう時はよく、『鶴の恩返し』で鶴が機を織っているところを見ない様に家族に言って織り部屋にこもる場面を思い出します。
鶴が織る時は元の姿に戻って織っていたので、結果的にその正体を見られてしまい飛び去ってしまいますが、素の自分に戻って織りに集中したいという面で何となく鶴の気持ちが分かるような気がします。