西日本や東海地方で梅雨明けしたということで、
本格的な夏になったことを感じました。
これから更に暑い日が続くので、体調に気を付けて慎重に過ごして行きたいと
思います。
昨日今日と用事で作品作りはお休みしたので、
今回は作品作りの上で題材にすることの多い俳句や歌の季語になる
季節の花や、染料に使う植物について書きたいと思います。
~🍃古代の歌と植物の関わり~
茜や藍、紫といった染料に使う植物は現代ではなかなか見かけることが
少ないですが、古代の日本ではそういった植物は栽培したり野山などで採集して
染めることが日常の中にありました。
そういったことが古代の歌集、万葉集の中の額田王(ぬかたのおおきみ)という、
高貴な女性が詠んだ
茜さす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き
野守は見ずや 君が袖振る
という歌の中にも描かれていて、
茜色を帯びる紫草の野を行き、御料地の野を行き、
というところが情景が浮かんでくるようで印象的でした。
(標野は皇室や高貴な人の所有地といった意味合いと思われます。)
万葉集の歌の時代から日本では花や自然と心情を重ねて詠んだ歌が多く、
令和の元号の元になった梅の歌や、他の染料の紅花(古代では末摘花と表記)や
五倍子(ヌルデの木の節)を季語に入れた歌、
また先日の藤袴のように季節を感じる花を詠んだ歌が見られます。
~🍃和歌と植物~
都が京都に移り、歌集がいくつか作られたり色の名前に四季の植物の名が付いたり、
とより植物との関りが深まった感じがします。
また、平安時代は国風文化の影響で染色の色味もより豊かで繊細なものが
増えていった印象があります。
このあたりの時代ではマンガでも有名な在原業平が詠んだ歌
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川
韓紅(からくれない)に 水くくるとは
という、奈良の竜田川が秋に紅葉が川一面に広がり、
まるで川が布の様に紅花で真っ赤にくくり染めをしたようだ、
と美しい風景をイメージして詠んだ歌が有名です。
~🍃俳句と植物~
江戸時代に入ると俳句が登場し、短い季語を使い自然や気持ちなどを詠むように
なりました。
そして染め織りの環境も少し変わり、木綿の糸づくりに関わる光景を詠んだ句も
登場します。
綿弓や 琵琶に慰む 竹の奥 松尾芭蕉
綿弓は種を分けた綿を弦で弾いてほぐす専用の弓のことで、
弦をはじく音が楽器の琵琶の音のようで旅の疲れが癒される気持ちを
詠んだのかなと思われ、木綿栽培や糸づくりが当時の日本の生活に
浸透していることが感じられます。
時代ごとに見てみると、季語になる植物の種類や染織に関わる環境の移り変わりが
分かって興味深いです。
また、どの時代にも共通して季語や色名としてよく目にするのは
やはり梅・桜(昔は山桜)で、
今なお愛され続けていて日本の象徴ともなっている花々というのも納得です。
色名や季語などの言葉に込めて表すことで、昔の人も植物や自然との近さや
季節感をより感じていたのかな、と思うと親近感を感じて嬉しくなりました。
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