このところ寒暖差が強く、
その度に関西(特に奈良周辺?)では
東大寺のお水取りが終わったら
ようやく春がくると耳にすることがあります。
行事の期間は3/1~3/14で、
二月堂のなかで練行衆と言われる僧達が
世の平安等を秘仏の観音様に祈ります。
このお水取りは通称で、東大寺の境内にある二月堂で奈良時代から続く修二会(しゅにえ)という行事です。
福井の東大寺にゆかりの深い場所から
送られるという水を二月堂の側にある井戸から決まった日時に汲まれることから
お水取りとも言われています。
~お水取りと染織~
○紙衣(かみこ)
お水取りでの祈る行事では、
僧は和紙をほぐしてこんにゃくや柿渋などを塗って仕立てた紙衣(かみこ)という服を
着ます。
この紙衣は風を通さないので、
寒い夜にお経をあげたりするのに良いそうです。
○和紙の椿
また、仏前にいつもお供えしているもののなかに、椿の花に見立てた和紙の花があります。
木片を芯に黄色く染めた和紙の花芯に、
鮮やかな赤い花びらと赤く染めた和紙と
白い和紙を交互に組み合わせて
くるんでいます。
鮮やかな赤い方の和紙の方は紅花で
何回も染められていて、
以前博物館でお水取りでの展示でその椿をみた時、大変な行程を想像し、
またその綺麗さに引き込まれました。
(この椿の花をモチーフにした和菓子も
お水取りの期間中売られています。)
まだまだ期間がありますので、
奈良を訪ねられる機会がありましたら、
伝統工芸にも想いを馳せつつ
行事をご覧になってみるのもいかがでしょうか?